選手は腰の高さでガッツポーズをしながら前に歩き、カメラは表情に勝利と、20本のラリーを気力だけで生き延びた人間の野性味が同居する一コマを押さえた。祝賀は本物。その裏の強度はやや恐ろしいほどだった。顔には純粋な競技の炎が燃え、カメラは炎の一本残らずを記録した。
歩きながらの祝賀はブレークポイントやセットを決めるゲームの直後に起きる。選手はコントロールされたガッツポーズで椅子に向かい、観客の拍手の中でも姿勢を保つ。姿勢はそのままでも、目を見ると印象が変わる。細まり、前方に固定され、崖っぷちに押し出されてそこで何か有用なものを見つけた人間のエネルギーを放っている。この選手の歩みは自信にあふれていた。表情は攻撃的だった。その組み合わせから生まれたのは、本人が「祝福」と呼び、写真編集者が「このセット最強の一枚」と呼ぶ写真である。